9月9日は重陽(ちょうよう)の節句。
五節句のひとつで、奇数=陽の数が重なる日とされてきました。
五節句
- 人日の節句〈1月7日〉
- 上巳〈3月3日〉
- 端午〈5月5日〉
- 七夕〈7月7日〉
- 重陽〈9月9日〉
古来より人々はこの日に菊を眺め、菊酒をいただき、無病息災や長寿を祈りました。菊はその凛とした佇まいから「不老長寿」「邪気を祓う力」の象徴とされ、平安時代には宮中で観菊の宴も行われていたほどです。
菊の花の香りといけばな


3色の菊の花
今回、StellaMythウェルネスアカデミーでは、菊のお花でお祝いをしました。
華道の世界では、重陽の節句は菊を中心に秋草をいけ、生命力の強さと秋の深まりを表現します。
今回の生け花は、3種の菊で彩り、ラベンダー色の桔梗を添えて。
日本では、仏花のイメージが強いお花ですが、本来はたいへん高貴で凛としたお花です。
菊の香りの特徴と成分


菊のお花のなんともすっきりとした清らかな香り。
菊の花の香りには、カンファーやボルネオール、リナロール、ピネンなどが含まれています。
カンファーといえば、精油ならローズマリーに含まれていますね。
ボルネオールは、お香の原料として使われる龍脳を表現する代表的な成分。
菊のお花は、ローズマリーほどシャキッとした香りではなく、スーッと溶け込むような感覚。
刺激が少ないのは、お花の香りのリナロールや針葉樹を彷彿させるピネン系が含まれているからかもしれません。
菊のお花は開花ステージによって香りが変化します。
咲いたばかりのいちばん神聖な香りをぜひ、この秋は感じてみてください。
注文の多い菊の花


菊のお花は、結構うるさいんですね。
生けている側から、
「はやく水にいれなさい」
「葉っぱが乾燥するわよ」
「綺麗に切らないと吸い上げられないわ」
綺麗なお花は総じて、要望が多いのです。
それゆえ、美しいのかもしれません。
その声に耐えながら(!?)集中して生けたあとは、なんとも清々しい気持ちに。
スッと心が清められた気分になりました。
これは言い伝えではなく、本当にそういった力があるのだと...実感したいけばなの時間となりました^^
菊の花に添えるおすすめの香り
お花を生けた後は、まずは換気。
- フランキンセンスを中心にブレンドしたアロマ
- 京都の竹の皮を使ったお香
を添えて、清らかさ、神聖さだけではなく、秋らしいすこし厚みのある香りで空間を仕上げました。


StellaMythのオンラインショップ
MAI TOKYOでも、重陽の節句と香りについて記事にまとめています。
↓参考にこちらもご覧ください。

